音楽の3要素と言えば、
「メロディー」(旋律)、
「ハーモニー」(和音)、
「リズム」(律動)ですが、もうひとつ
「音」(大きさ、高さ、音色)を加えるべきだとのご意見もあり、賛成です。
私がチェロを習い始めて、最初の難しいところは、この
「音」でした。
チェロの指板(サオの部分)で弦を左指で押さえ音を決めますが、この「左指の押さえる位置」が結構難しかったのです。
ピアノであれば、鍵盤(キー)を押せばいいし、ギター等では、フレットという区切り線(金属)がありますから、狙う「音」を出すには基本的に楽です。つまり、音の位置は明確に決まっています。
(勿論、タッチ等の高度な加減はあります)
しかし、バイオリンもそうですが、所謂
弦楽器といわれる楽器は、この音の位置が「およそ」の位置、「この辺」なのです。
金管楽器のトロンボーンも同様ですね。金管の長さを微妙に調整して音を出します。
でも逆にいうと、「この辺」という音をキチンと出せることが、チェロの上達の道です。
1-2年は、先生に就いてしっかり学ぶ必要があります。
同時に、「左指の間隔(人差し指~小指)、間隔の形(指を伸ばす形、寄せる形)」も、音程をしっかり決める練習のひとつです。
(実は、指板の裏で支える「親指」も大事です。私はいつも先生から注意されますが、できない)
でも、私は、チェロを習い10年も経つと、「この辺」という意味の深さを感じます。
以下は、勿論素人考えですが、
・演奏者が全て、もしこの完全音を出したら、どうでしょうか。機械が演奏しているように聞こえるでしょうね。
そうです、各演奏者のこの「誤差」が、「音の深みを醸し出す」と思えませんか。
つまりその音の複雑な周波数が重なる状態です。
・事実、音程を測る電子チューナが、そもそも「その音程のブレ」を想定しています。
<画像をクリックすると拡大できます> 左の図の目盛りに3つの▼があります。 中心の▼がその周波数ドンピシャの音です。
例えば、基音 A(ラ)という音は、442Hz と決まっています。
左右の▼が、その音の近傍、誤差範囲。
先生からは、演奏中はできるだけこの範囲に音が入るように、と指示がありました。
(勿論、最初の弦のチューニングは、ドンピシャの周波数で調弦します)
世界の各オーケストラが、それなりの特徴のある音質を持っているといわれます。
同じ演奏演目でレコード、CDで聞き比べができるのも、そこにこれらの音の違いがあるからだと思います。
とは言え、弾く音の「近傍」であるからいいのであって、もっと外れたら、話になりません。
訓練生は、その心構えとして正確にその音を弾く態度と練習は、まだまだ欠かせませんね。
以上