先日、散髪をしました。
今回は、従来行っていた格安店ではなく、駅前にある老舗理髪店です。
ここの店頭に「カット価格」が大きく張り出されていて、それに惹かれたのです。
何と格安店のカット価格より安いのです。
確かにここ毎年のように理髪格安店は、値上げされています。
世間の最低賃金の向上や諸物価の値上がりがあり、止むを得ないのでしょうね。
その全国チェーン店は20数年前に、「ブルーオシャン」新企業として突如社会に現れたのです。
(ブルーオーシャンとは、既存市場に新しい価値を創造し、高い利益率を上げる企業市場をさします)
その業態は、従来のあれもこれもの床屋サービス(5-6,000円)から、「ヘアのカット」だけを取り出し、
「10分でカットのみ、1,000円」というものでした。
これはサラリーマンにとって、1時間以上かかる整髪時間も 懐も楽になる理髪店でしたね。
私も地方勤務から東京に出張で出てくると、東京駅の地下にあったこのお店の常連になりました。
(今で言うと、コスパ最高、なのです)
時は流れ、この新業態も今では当たり前になり、女性の美容室も形を変え、格安店がでてきています。
カミさんも最近では、こうしたお店を利用し始めています。

まず、ああだこうだの「お客の好み」をあまり聞きません。
私もあまり言いません。でも、そのベテランさんは分かっているのです。
はさみでさっさと髪を仕上げ、後ろの髪すぞはカミソリで丁寧に仕上げます。
最後は、蒸タオルを差し出し、お顔を・・、といって後始末に入りました。
何という手切れの良さでしょう。
カミさんの評価は、「アラ、今日はきれいなカットね。前回は段々畑だったのに」
(お店を変えたことは言いません)
時代の流れで、老舗店も格安価格帯のサービスを提示しないと、やっていけない時代なのでしょう。
でも、これまでの「理髪の基本」を持つ「経験」者が、短時間でやる仕事は「質」が違います。
いままでの理髪学校から派遣されるような経験不足者が行う格安店との違いを実感しました。
しかも、それらより いま「安い」のです。
同じような例は他にもありました。
先週、街の個人寿司屋さんでランチを食べました。 周りの店が一杯だったからです。
カウンターで出された寿司の皿は、特に変わったものではありません。
ネタがいいわけでもありません。
でも、寿司を口に入れた途端、ごはんの口の中の広がり具合が絶品でした。
ああ、これがよくTVででてくる「寿司職人の握り方」の仕事なのか、と。
回転すし店で食べる寿司とまったく違いました。
やはり職人技はしっかり街に生きています。隠れていますが、身近にあります。
安さを兼ね備えたお店を発見することは、これが庶民の、シニアの愉しさ、面白さです。
以上